03.山手線ターミナル駅から延びる路線の特徴(1)秋葉原・日暮里・西日暮里駅


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山手線から外に延びる鉄道路線。クリックで拡大します

それぞれのターミナル駅から山手線の外部に延びる路線の特徴についてみてみましょう。

このページでは秋葉原駅日暮里駅西日暮里駅についてご案内します。
他のターミナルについては下記のリンクからご利用ください。
池袋駅 ■高田馬場駅 ■新宿駅 ■渋谷駅 ■品川駅

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「おたく」(?)の聖地となった秋葉原駅

1.秋葉原駅

秋葉原駅からは千葉方面に延びる中央・総武線各駅停車が出ています。そのほか、茨城県の筑波方面に延びるつくばエクスプレスもありますが、ここでは割愛します。
つくばエクスプレス

中央・総武各駅停車は秋葉原駅から東に向かっているJRの路線です。
千葉方面とともに山手線のほぼ中央を横切り、新宿、三鷹方面に向かう路線でもあります。東京駅が始発の中央線快速は快速運転で、山手線内では御茶ノ水駅、四ツ谷駅にしか停車しませんが(早朝・深夜をのぞく)、中央・総武各駅停車はその名のとおり、各駅に停車します。
中央・総武緩行線(Wiki)

千葉方面では途中の錦糸町駅で総武本線(総武快速線)と合流し、複々線となります。
利用客の多い首都圏では線路が上下2本ずつある複々線の区間が多数ありますが、JRの場合、一方が各駅停車、他方が快速や普通電車となっていることが多いのです。

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総武線各駅停車は秋葉原でそのまま中央線各駅停車となり、新宿方面に向かう。また、秋葉原駅では山手線などにも接続する。クリックで拡大します

秋葉原駅を出ると、人形店の多い浅草橋駅、両国国技館のある両国駅、東の一大歓楽街・錦糸町駅平井駅新小岩駅小岩駅とつづき、江戸川を渡って千葉県に入ります。

総武線は、学生街のお茶の水に乗り換えなしで、また、山手線の東側地区には短時間で到着できるため便利です。若者に人気の渋谷・新宿などのターミナルとは若干離れているため、沿線の人気はあまりありませんが、下町的な情緒もあり、物価も安く住みやすい沿線といえるでしょう。
家賃もJR線ながら他地域に比べ比較的安いのも魅力です。

2.日暮里駅(にっぽりえき)

日暮里駅からは、成田・成田空港方面に向かう京成線が出ています。
京成線は上野が始発駅ですが、JRなどの上野駅とは少し距離があるため、他路線との乗り換えは日暮里駅が一般的です。なお、スカイライナーをはじめ、京成線の電車は基本的にすべて日暮里駅に停車します。
京成電鉄

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京成線の概略。クリックで拡大します

京成線は途中青砥(あおと)から京成押上線(おしあげせん)を経由して、都営地下鉄・浅草線と接続しているため、青砥以西の駅からは東京駅付近へのアクセスも若干便利です(浅草線は東京駅には現在接続していないが、周辺駅に停車)。

ただ、若者に人気のスポットに接続していないことや、沿線に大きなタウンもないため、大手私鉄ながら人気の薄い路線です。
そのため、沿線の家賃はかなり安くなっています。上野周辺の学校や勤務地に通う人であれば穴場の路線となります。

3.西日暮里駅

西日暮里駅からは、東京メトロ千代田線が出ています。といっても、千代田線は綾瀬駅からJR常磐線各駅停車となり、千葉・茨城方面に延びています。したがって、西日暮里駅を千葉・常磐方面へのターミナル駅として取り上げています。

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常磐線各駅停車と常磐線快速、東京メトロ千代田線との関係。クリックで拡大します

さて、この千代田線・常磐線各駅停車は少し複雑です。

西日暮里を出た千代田線は北千住駅綾瀬駅を経由して、常磐線各駅停車に乗り入れします。このとき綾瀬駅で電車を乗り換えることなく、そのまま常磐線となり松戸方面に向かいます。これを相互乗り入れといいます。相互乗り入れについては、下記のコラムをご覧ください。

さて、綾瀬から千葉の松戸駅に至るまでの常磐線の駅は「亀有」「金町(かなまち)」です。
この、亀有駅と金町駅は常磐線の快速は停車せず(快速線にはホームも設置されていません)、たとえば亀有から東京に向かう場合は、

  1. 綾瀬駅から千代田線に乗り(相互乗り入れ)、西日暮里駅で山手線に乗り換えて東京駅に行く
  2. 綾瀬駅から千代田線に乗り、北千住で常磐線快速に乗り換え上野駅に。上野駅で山手線に乗り換えて東京駅に

が考えられます。1は乗り換えが1回で済み、2は乗り換えが2回で、また、常磐線快速はうんこ本数が少ないので、かなりめんどくさい乗り換えとなります。
いずれの場合も、途中に東京メトロ千代田線を挟むので、JRの運賃と東京メトロの運賃がかかることになります

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常磐線各駅停車の概要。クリックで拡大します

と、これは少し変ですね。ということで、亀有駅、金町駅から北千住までは特例があり、地下鉄千代田線を経由しても、綾瀬・北千住間はJR線に乗っているものと見なし、東京メトロの運賃は徴収されません。
すると、乗り換え2の場合もJRだけの運賃で済むことになります。乗り換えがめんどくさいほうが運賃が安くなったり、この路線は少し複雑です。
常磐緩行線(Wiki、常磐線各駅停車のこと)

路線的には、上記のような理由と金町から先は千葉県ということもあり、家賃はリーズナブルです。交通費がかかるものの、地下鉄千代田線に乗り入れていますので、都心にもアクセス良好です。

相互乗り入れってなに?

「相互乗り入れ」とは、電車の直通運転のことで、異なる路線にまたがって同じ車両で運行されることです。
東京メトロ千代田線の場合は、綾瀬駅で常磐線各駅停車に乗り入れし、電車を乗り換えることなく、千代田線から常磐線の各駅に行くことができます。
電車を乗り換えることはありませんが、別の路線となるため、運賃はそれぞれかかります(一部、割引運賃があることもあります)。
東京ではこの相互乗り入れが多くの路線で行われており、利便性が高くなっています。
たとえば、西武池袋線-東京メトロ副都心線-東急東横線-みなとみらい線は4線で相互乗り入れをしていて、西武池袋線の飯能駅からみなとみらい線の元町・中華街駅まで、乗り換えなしで一気に行くことができます。
直通運転(Wiki、相互乗り入れ)

 

次のページでは、山手線の西側のターミナル駅、池袋駅からご案内します。